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濱田 一弥; 河野 勝己; 齊藤 徹; 井口 将秀; 中嶋 秀夫; 手島 修*; 松田 英光*
AIP Conference Proceedings 1435, p.55 - 62, 2012/06
被引用回数:3 パーセンタイル:73.59(Physics, Applied)原子力機構は、ITER計画の日本の国内機関として、ITERトロイダル磁場コイル用導体全体の25%の調達を分担している。導体は、直径0.8mmのNbSn超伝導素線900本と銅素線522本を束ね合せたものを、金属製の保護管(ジャケット)に収めた構造である。ジャケットの4Kでの機械試験には、当初JISに基づき製作した試験片(並行部の幅:8mm)を用いたが、冷間加工及び熱処理を実施したサンプルの伸びにばらつきが見られた。このため、ASTMに準拠した試験片(並行部:幅12.5mm)を使用して試験片形状依存性を調べた。その結果、ジャケット受け取り状態での耐力、伸びはサンプルの形状にかかわらず、比較的ばらつきが少ない(3%以下)が、冷間加工及び熱処理を実施したサンプルの伸びについては、ASTMの試験片ではばらつきが少なくなる傾向を示した。熱処理したサンプル破断面はカップアンドコーン状破壊を示し、破断面周辺部の粒内破壊と中央部の粒界破壊が混在する状態であることがわかった。このため、伸びのばらつきの原因は、粒界破壊面の進展が、脆化によりサンプル形状の影響を受けやすくなっている可能性が示唆される。
井口 将秀; 齊藤 徹; 河野 勝己; 高野 克敏; 堤 史明; 千田 豊; 中嶋 秀夫
AIP Conference Proceedings 1435, p.70 - 77, 2012/06
被引用回数:2 パーセンタイル:63.55(Physics, Applied)ITERに使用される超伝導磁石用構造材料は液体ヘリウム温度(4K)にて運転されるため、4Kにおける材料強度評価は必要不可欠である。しかし、4Kでの材料強度評価試験には多大な労力を要するため、効率化のために原子力機構は比較的容易に得ることができる室温強度評価結果と材料の炭素及び窒素の含有量をパラメータとする2次曲線を使用した強度予測式の研究開発を行い、JSME規格の策定に貢献した。本発表ではITER TFコイル実規模試作において鍛造及び熱間圧延によって製作された窒素添加強化型316LNステンレス鋼にこの予測式を適用し、その予測精度について検討を行った。その結果、材料の炭素及び窒素含有量によって使用する予測式により、室温の強度評価結果から4Kでの強度を精度よく予測できることがわかった。本発表ではこの検討結果について発表する。